疾病に薬や手術で対処し、症状を緩和させることを目的にしている西洋医学は、スピーディーな治療が最大の魅力です。しかし、手術にはリスクが伴いますし、医療用医薬品には副作用も多いので、病状によっては適さないこともあります。
一般的に西洋医学では、検査によって得られたデータに基づき、健康数値と見比べることで異常を見つけます。そして、病気が判明したり、病気の原因が分かったら、根治や症状を改善させるために、直接的な施術を行います。それゆえ、西洋医学の治療は短期集中的に行われることが多く、治療で得られる効果も優れていますが、未病を治すことには向いていません。病気の一歩手前の状態にあるときや、医療機関で検査を受けても異常なしと診断を受ければ、不調があっても積極的な治療を受けることはほぼないのが特徴です。
そのため、最近注目を集めているのが東洋医学です。不健康でも健康でもない未病という状態は、東洋医学が得意とする分野だからです。東洋医学は、身体の不調を訴える人の免疫力や治癒力を高めるための施術を行ったり、副作用の少ない漢方薬を用います。その特徴から、西洋医学のように緊急性の高い患者の治療には向いていませんが、未病や病後のケアにはとても適していると言われています。したがって、最近では西洋医学だけでなく、東洋医学への関心も高まっているので、医療従事者も双方の長所を用いた柔軟な治療やケアを知る必要が出てきています。