医学には西洋医学と東洋医学が存在し、それぞれ病気の捉え方やアプローチ方法は異なります。西洋医学は現在、多くの先進国で主流となっている医療であり、問診や検査によって病気の原因を探し、手術や投薬といった方法でそれを治すのが特徴です。西洋医学は戦争によって発達したと言われていますが、近年は日々最先端の技術を用いた医療機器が積極的に開発され、新たな治療方法や検査方法が生み出され、私達の健康維持に大きく影響を及ぼしています。
しかし、だからといって西洋医学だけが今の医療業界を支えているのかといえば、そうではありません。古代中国に起源を持つ東洋医学も、私達の健康維持には欠かせない存在です。東洋医学は7世紀頃日本に伝わり、その後江戸時代の鎖国体制を経たことで、日本独自の進化を遂げています。体の悪い部分に直接アプローチする西洋医学とは異なり、東洋医学は不調を起こした体全体の調子を整えることを目的としていますが、この考えは予防医学につながっています。
とはいえ、西洋医学が主流となっている現代では、東洋医学は一段劣ったものと見なされることが少なくありません。ですが、西洋医学と東洋医学はどちらが勝っているというものではなく、病気に対するアプローチ方法が異なるだけで、どちらにも魅力があります。
西洋医学は病気の原因に直接働きかけるため、短期間で治療することが可能です。一方、東洋医学は時間はかかるものの体への負担が小さいというメリットがあります。また、貧血や低血圧、低体温など、西洋医学では対応することが難しい「体質」に働きかけることができるのも特徴であり、西洋医学と東洋医学を上手く融合させた治療が、今後は浸透していくでしょう。